鋼の錬金術師《長編》


[11]太陽と月*I




俺が作った炒飯を
美味そうに食ってたっけ。



その姿が
やけに可愛くて
抱きしめちまったんだよな。







俺が告白したとき、

私は男なんだからな!!

って言いながらも
俺に飛び付いてきた
ロイが幸せそうに
笑ってたっけ。












そんな顔も、


もう見れないんだな・・・











また視界がぼやけてきた。










俺は、



忘れられないだろうな・・・



こんなに
愛してるんだから。





いくら物を捨てたって。









いくら関係を壊したって。









魂が叫ぶんだ。














・・・ロイを愛してる、って。












あの人の回りには


いろんな奴がいるから、


彼はまた
愛しい人を
見つけられるだろう。




あの可愛らしい笑顔を
別の誰かに
見せ始めるだろう。







そう、

辛いのなんて、



今だけ。




人間の適応能力って
ヤツはホント、
すげぇ。




だが、
それよりも。




俺があの人に
守られてる姿なんて
想像もしたくないんだ。



俺が守るって決めたんだから。





彼が
俺のせいで
傷付くのは

耐えられない。





俺が
傷付くのは
一向に構わない。




だから、
守れなくなった時点で


離れるのは、




当たり前なのだ。






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