第9章


[03] 



――「今、全てを思い出した…。
…我は存在していた。
何も無い場所。時も流れず空間も無い、我以外は何も無い。

我は一人だった。

ふと、我以外の存在を創ってみようと思いついた。
最初に創ったのはディアルガとパルキア…。
この二匹に命じ、まずは我以外の存在を置ける場所を…時と空間、世界を創らせた。
だが何も変わらない。ただ命令にしたがう置物が二つとその置物を置く場所が増えただけだ。

我は一人だった。

今度はこの置物に、我のように自我を持たせてみようと考えた。
エムリット、ユクシー、アグノムを創り、置物に自我を与えさせてみた。
我は恐る恐る…話と言うものをした。
何を話したか、など覚えてはいない。だが今までには無かった感覚…喜び、怒り、悲しみ…。

我は一人では無くなった。

我は浮かれ、次々と新しい存在を創りだした。
少しでも我以外の存在達が笑えるよう、悲しまずに済むよう、様々に手を尽くした。
色々な存在を創りだした。

…そして事は起こった。




[前n] [次n]
[*]ボタンで前n
[#]ボタンで次n
[←戻る]




Copyright(C)2007- PROJECT ZERO co.,ltd. All Rights Reserved.