第6章


[04] 


「あれ…ここは?」「ハクタイの森…ですね」「何故このような…」「ぼわ〜ん…」
手下共が不思議がって辺りを見回している。

俺も不思議だ。
何故、“あの”ポケモンは、俺を助けたりするのだろう。
ただの親切心には思えない。きっと、何か理由があるはずだ。
だが、どんな…

「ピカチュウ…アグノムたち、どうなっちゃうの?早くしないと…」
「ああ…!想像したくないです…」
「かわいそう〜!」
「ピカチュウ殿!再び救出に向かわねば!」

「分かっている…だが…」
俺の口は重い。
人間によって力を与えられたエレキブルに、今の俺では手も足も出ない。
こんな打ちひしがれた敗北感は初めてだった。

「…何よ!ピカチュウのいくじなし!一度負けたぐらいで諦めちゃうの?!」
黙ったままの俺に、ミミロップが苛立ったように言う。

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