第6章


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「……どういうつもりだ。俺がでんき技を受けたらパワーアップするって言ったはずだぞ。」
「でんき技受けてパワーアップしないとまともに戦えないんだろ?」
「なに?」

俺は皮肉めいた口調で言ってやった。

「俺に勝った時もそうだったよなあ?パワーアップしないと何にも出来ないんだろ?
でんきショックじゃハンデとしては少ないっていうならかみなりでも落としてやろうか?」
「なめるな!!」

さっきよりスピードが上がったエレキブルが俺に襲い掛かって来る。
まさかここまで簡単に挑発に乗るとは思わなかったが。
パンチを繰り出してきたエレキブルをひょいっとかわしてやり、今度は軽く蹴飛ばしてやった。



「あわわ、凄いスピードです…なんでピカチュウさんはあんな事を…。」
「なるほど…。」
「…?どうしたの?」

ザングースが何か納得した様子を見せているのに対し、疑問符を浮かべるムウマージ。

「ピカチュウ殿は相手をわざと怒らせたのでござる。怒りや焦りは冷静さを欠かせ、正常な判断が出来なくなる。
勝てる相手にも勝てなくなってしまう事もあるのでござるよ。」
「……うん、確かにそうだね……エレキブルが移動するスピードは確かにあるけど、攻撃の動きが単調になってる気がする。」
「じゃあ、ピカチュウさんはそれを狙ったんだ!凄いや、そこまで考えてるなんて…。」

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