第41章


[09] 


 また、ずしりと頭が重くなる。奴と顔を突合せて言葉をまじわす度に頭がずきずきと、締め付けられる様な、あるいは内側から何かが出てこようと暴れているような、痛みに苛まれる。
ジョウトに近づくにつれ、頻度と強さが増しているような気さえする。
「ねえ、ちょっとピカチュウも言い方が悪かったんじゃない?確かにマニューラにも怪しい面はあったけれど、何か別の事情が有るのかもしれないしさ。裏切りだなんて決め付けるのは良くないよ。今からでも後を追わない?」
 少し非難めいた口調でミミロップは言う。
「うるさい……もう奴に構うな……」
 俺は重い頭を片手で抱えながら、突っぱねた。
「なら、僕が行ってきます」
 決心した様子でロズレイドが言い放つ。
「状況を弁えよ、ロズレイド……。今は奴になどかまけている暇などないだろう」
「本当にマニューラさんが裏切り者ならば、このまま行かせる方が不味いでしょう――そんなこと、ありえないと断言しますが。僕が監視についていれば、下手な動きは出来ないはずです」
「そうね、それがいいわ。」
 熱弁を振るうロズレイドに、うんうん、とミミロップが同意する。
「お前達、勝手に決め――むぐ」
 俺は異議を唱えようとするも、ミミロップの手に口を塞がれ、そのまま抱え押さえ込まれる。
「こっちは何とかしておくから、行ってらっしゃい、ロゼちゃん」
「はい……!」
 貴様ら――!もがき暴れる俺を尻目に、ロズレイドは駆けていった。

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