第39章


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 ギラティナの声が、途中から急にノイズが混じったようになりブツブツと途切れ出す。
「どうした?」
「どうやら残された時間が僅かなようだ。直にこやつは目覚める。
出口は見……一気に――飛……ぞ、衝撃に備えていろ」
 そう言うとギラティナは神体の翼を思い切りはためかせ、飛ぶ速度を急加速させる。
慌てて俺は再び鱗の隙間に手をやり、爪先をしっかりと引っ掛けた。
数ある色の中から白い光を一直線に目指し、ぐんぐんと迫っていく。
 あれが出口か。近づいて見えて来るその場所の風景は、パルキアの領域に送られて最初に降り立った乳白色の建物の内部と少し似ていた。
中央奥に見える祭壇のような大きな建造物の上に、光り輝く何かが乗せられているのがちらりと見えた気がした次の瞬きの合間に、パルキアの体は頭から出口へと勢いよく突っ込み、巨石が大地を穿つような轟音と共に強い衝撃に全身を襲われた。

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