第33章


[05] 



 レッドが狙われている。援護せねば。
 レッドに気を取られているミュウツーへ不意打ちをかけようと、俺が駆け出した瞬間、目の前に閃光が走る。
轟音と共に足元から電流が伝わり、体表を痺れと痛みが駆け巡った。

「ふん、外してしまったか」
 どこか聞き覚えのある、偉そうな声が響く。
「駄目な奴。あの程度も当てられないわけ?」
 それに続く突然のミミロップの言葉に、俺は振り向いた。
「お前、何を言っている?」
 ミミロップは慌てて首を横に振る。
「私は何も言ってない――」
「そうよ。言ったのは、わ・た・し」
 二重になって聞こえる、同じ声。片方は上からだ。
 見上げると、岩に開いた窪みに、大小四つの影が並んでこちらを見下ろしていた。
「ちぇっ、バレちゃった」
 一斉に飛び降り、影達は俺達の前へと降り立つ。
 その姿は――。




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