第33章


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一斉にクローン達が、ミュウツー自身を先頭にこちらに向かって飛び出す。
こちらはカメックスから離れないようにするので精一杯だというのに―――

「みんな、もう一度頑張ってくれ!」
いつの間にかレッドはカメックスの上に立ち、他のポケモンたちも繰り出していた。リザードン、エーフィ、ピカチュウ、カビゴン(フシギバナは出すスペースが無いようだ)
さらにリュックから七つ目のボールを取り出す。
「出ておいで、ラプラス。彼らをつれてここから出るんだ。」
ラプラスは一度だけ頷き、こちらを向いた。
「さぁ、背中に掴まって、息を大きく吸い込んで…」
「待て、その人間を置いては行けん。それに部下のロゼリアの姿も見えない。」
「レッドさんなら大丈夫です。もう時間がありません、そちらの子もこのままじゃ危険ですよ。」
たしかに、アブソルの体調は見る見るうちに悪くなっている、しかし―――
「もしそのロゼリアさんが溺れているのであれば出口のほうに流されているはずです、急いで!」
しぶしぶラプラスの背中に捕まり息を大きく吸い込んだ。
「行きますよ、3…2…1…それっ!」

最後に振り返ったとき、レッドと目があった。
口を開き俺に何かを言った―――が、声が届く前に水が耳を塞ぎ―――静寂が訪れた



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