第33章


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「大丈夫か?」
吹き飛ばされたミミロップに駆け寄りつつ、俺はあたりを見回した。
ロゼリアもどうやら苦戦しているようだ。アブソルとムウマージの姿はここから確認できない。
俺とミミロップのコピーは―――余裕からだろうか、こちらが動き出すのを待っているようだ。
「くやしいけど、あっちの方が一枚も二枚も上手みたい。可愛さなら絶対負けてないと思うんだけどなー」
冗談を飛ばすも苦痛の表情は隠し切れていない。
やはり奴らの身体はこちらよりも強固に構成されているようだ。認めたくはないが
「ミミロップ、耳を貸せ。」
「えっ、こんな時に愛の告白?」
「・・・・・」
「そ、そんな怖い顔しなくてもいいじゃない!」



「これほどの力を持つとは―――素晴らしい…っ!」
目の前に広がる光景にさも満足したようにフーディンが恍惚の笑みを浮かべる。
「こいつらを大量生産された暁には…グヘッ!」
まるで見えない拳でアッパーカットを喰らったようにのけぞり、倒れるフーディン。
その影からゆっくりとサマヨールが這い出してくる
「ヒヒッ、着きましたよ。」
「どーやら、アイツ等にはまだ気付かれていないみたいだな。」
サマヨールに続いてゲンガー、さらにゴースト達が次々と飛び出した。

幸運にも、ミュウツー達のいる場所からちょうど岩の影になって見えない所に出たようだ。
目の前には何やら複雑そうな機械、その横にズラリと並ぶたくさんのカプセル―――
中は不気味な液体で満たされおり、そのいくつかには既にポケモンらしき影がゆらめいている。



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