第32章


[05] 



 赤髪の青年は書類の束から一枚を抜き出した。
「例のポケモンの目撃された場所を点として順に線で結んでいくと、ハナダの洞窟の辺りからグレン島まで繋がるんだよ。
そして噴火後にその線はハナダまでまた折り返している」
「……確かに何かありそうだね。もしもそのポケモンが火山を噴火させるほど強力で危険なポケモンなら、何とか対策しなきゃいけない」
「ハナダに調査員を派遣するか?」
「いや、僕が直接行ってくるよ。セキエイ高原の景色も見飽きたし、挑戦者の相手ばかりするのも退屈だからね」
 そう答えると茶髪の青年は椅子を立ち上がり、かけてあった赤いジャケットと鍔付きの赤い帽子を手に取った。
「やれやれ。とんでもないチャンピオンだ。君のことだ。どうせ止めても聞かないんだろうな。
わかった、俺の方で許可を取っておこう。だがくれぐれも気を付けてくれよ。レッド君」
「わかってるよ、ワタルさん」

※ ※ ※

「遂に目撃情報が入ったニャー。ハナダの北西にある洞窟に、それらしきポケモンが入っていくのを見たと!」


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