第26章


[19] 



「これで満足か?」
 最早、怒る気力もない。全員、げんなりとしている。
「はい、一応ありがとうございますぅ。おかげでプクリンになれましたぁ」
「では、約束どおり騒音を喚き散らすのは止めよ」
「はいはい、わかってますよぉ。それに騒音じゃなくて、プクリンちゃんのゴージャスプリティソングですぅ!」
 もうこいつとかかわり合いになりたくはない。早くこの場を離れ――。
「あ、そうだぁ、この辺に住んでるならあんた達もこれを見ておいたほうがいいですよぉ。パラセクトさんに云われた従わないといけない奴らだそうですぅ」
 そう云い手渡されたのは、黄色、茶色、緑色、黒色、白色、計五匹のよくわからない不恰好な生き物の絵が書かれた木の板だ。
「……この絵を書いたのは誰だ?」
「サンドパンらしいですぅ」
「そうか……」

         ・

「おっ! ピカチュウさんじゃないか。今丁度、ここらの奴に伝え終えたところで――あれ? 何か皆さん怒ってらっしゃる? ……ねぇねぇ? 何か言ってくだ――」
 怒りの矛先はすべてサンドパンへ。

 その後、俺達は無事に三番道路を抜けた。
 おつきみ山在住の部下に負傷者一名。


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