第23章


[01] 




 突然、膝の力が抜け、俺は崩れ落ちるように倒れこんでしまう。急激に体の力が吸い取られるかのように抜けていく。
必死に身を起こそうとするが――駄目だ、意識もはっきりしなくなってきた。逃れられない。
床が影に溶け闇が口を開ける。徐々に体が床に、闇に飲み込まれていく。

 暗い。悲しみ、怒り、憎しみ――嫌な感情が渦巻く黒い海を俺は沈んでいっている。深い、どこまで続くのだろうか。

「起――さい」
 頭に声が響く。

「起きなさい」



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