第22章


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 何という醜悪さ、吐き気を催しそうな邪悪な気配。
 俺は電撃を怪物に放つ。電撃は直撃し、怪物の顔面が焼け焦げた。怪物は苦しそうに重なった叫び声を上げる。
「――うっ!?」
 突然、俺の体に痛みが走った。そして怪物の顔面が徐々に修復されていく。――何が起こった?

「恨み、怒り、悲しみが籠もった実に良い歌声だ……」
 叫び声を聞きながら、ダークライが恍惚とした表情を浮かべる。
 こちらを敵と認識した怪物が床の黒い染みを触手のように伸ばし、俺に向かって振るう。咄嗟に横に飛び除け、反撃を放った。
 触手は簡単に焼き切れ、怪物を電流が襲う。再び怪物が苦痛の叫び声を上げる。
 ――っ! まただ。俺の体に痛みが走り、そして怪物は傷を癒していく。

「いいぞ! 喚け! 苦しめ!」
 口を歪ませダークライは歓喜の声を上げる。
 これは敵の能力なのだろうか。呪いだとでもいうのか――。




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