第21章


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「とは言ったものの――」
今だにマニューラはアジト周辺の森をだらだら進んでいた。
ユキノオーと会食なんて面倒臭くてたまらない。どうにかしてすっぽかす方法は無いか――マニューラはそんなことばかり考えていた。
約束の時間は刻々と迫る。そんな時――
「にゅ〜ん」
紫色の軟体がマニューラの目の前に現れた。




――ユキノオーの集落。

「ようこそ、マニューラ殿。(……はて?こんなにシンプルな顔つきだったか?)」
「ひゃは〜!」
「(ちょっと違う気もするがいつもの笑い方だし、わしの気のせいかの)ささ、こちらへどうぞ」

――ハクタイの洋館。

「……何であっしがてめぇなんかにメシ奢んなきゃなんねえんだ」
「ダチ連れてきた借りがあんだろが?つべこべ言わずもっとメシと酒の追加だ、ヒャハ!」
「ちっ、食い終わったらさっさと帰りやがれよ!糞ネコが」

その日、ユキノオーの集落ではマニューラが突然形を崩して溶けたり、ユキノオーが二匹に増えたり減ったり増えたり減ったり減ったり増えたりで大騒ぎになった。

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