第21章


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「落盤カッ!?」
「と、とりあえず音がした方を見に行こう!」
隠れ家を飛び出し、ニャース達は音がした方に駆けていく。

「ケホッケホッ、すごい砂ぼこりだニャー。ちょっと吸っちゃったニャー」
ニャース達が音の元にたどり着くと、そこは砂ぼこりがもうもうと立ち込め、天井には大きな穴が開いていた。天井の穴からは大きな高いビルが見える。
そして、その穴の下には大きな銅色をした何かが横たわっていた。
「このとげとげした茶色の岩みたいなのは何だろ?」
「確かこの辺りはヤマブキシティだけど……。これが上から落ちてきたせいで穴が開いたのかな」
「でっかいニャー」
ニャースがその岩の様な物をガリガリ引っ掻くと、ぴくりと岩が反応する。
「フギャッ!?岩が動いたのニャー!」

地響きを起こしながら、大きな銅色の岩は立ち上がる。ニャース達が岩だと思っていたのは、頑強そうな岩の鎧に身を包まれた巨大なポケモンだった。
「グギャオオオォン!」
そしてその銅色のポケモンは大きな咆哮を上げた後、鋭く凶悪な隻眼で辺りを見回す。
「落とされたか。おのれ、油断したわ」
銅色のポケモンは天井の穴を見上げながらそう呟いた。
「まずは傷を癒さねばな……また会おうぞ、新たな宿敵よ」
銅色のポケモンはよろよろとトキワ方面に出る出口に歩いていった。ニャース達の事はまったく眼中に無いようだ。



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