第21章


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「いい子ぶりやがって……。レッド、お前はいつもそうだ!」
拳を強く握り、歯を噛み締めグリーンはレッドに憎悪の目を向ける。
「オレはジジイの孫としていつも周りに期待された。それに答えるためにいつも努力してきた!――でも、お前はいつも適当にへらへらしているだけのくせに、勉強でも、スポーツでも簡単にオレを追い越してく……」

「それは違――」

「うるさい!認めてやるよ、レッド。……お前は天才だ。オレがいくら努力しても勝てやしない――」
グリーンは腰に付けてある空っぽのモンスターボールをぎゅっと片手で握りしめる。――そのモンスターボールには汚い字で“ラッタ”と書かれていた。
「でもオレは……このポケモンだけは、お前にも――もう誰にも負けたくねーんだ!そのためならオレは……悪魔にだって協力する!」

「……!」



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