第19章


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――森の洋館。
 いつものテレビのある部屋で、ビッパがごそごそやちている。
 どこから持ってきたのだろうか、ビデオデッキを設置しているようだ。
 配線が終わり、ふう、とビッパはため息をついた。そしてビデオデッキに何やらビデオを入れる。そのビデオは――

小ネタ『超蟹機神メタグロスG 第一話』
 やあ、僕は何の変哲もない普通のトレーナー、ハガネ カニヲ。
 ただ普通のトレーナーと違うところは、青蟹機神メタグロスのパイロットってところかナー。
 ご存じの通り、悪の総統オキードは前作でもう倒しちゃったから、今は特にすることが無いニート何だけどね。
 でも、家にいたら家族から白い目で見られるから、今日は公園をブラブラしてるのだ。一応、世界を救った元ヒーローなのに、世間って冷たいよね。
 ――カニヲは、やるせない気持ちで公園のベンチに座っていた。
 時折、そんなカニヲを、通りすがりの子どもの集団が指をさし、笑いながら走っていく。
 だが、今のカニヲには怒る気力も無い。落ちぶれた英雄――世間でカニヲはそう呼ばれていた。
「はあ、これで今日、子供たちに指をさされ、笑われながら走り去られた回数は15回目……」
 カニヲはうつむきながら、ぶつぶつと呟いている。道行くミニスカートや大人のお姉さんが、明らかにカニヲが座るベンチの近くを避けて歩――ぶつん

 突然、テレビの電源が落ちる。「な、何でぇ、この陰欝とした内容のアニメは。やめやめ!」
 いつのまにかドンカラスがテレビのリモコンを持って、ビッパの後ろに立っていた。
「あっ! ひどいお!」
「うるせえ、これからあっしは仁義無き決闘と極道の♀達のビデオ見るんでえ。」
「そんなおっさん臭いの見たくないお……。ビデオデッキをゴミ捨て場から拾ってきたのは僕なのに、ひどいお……」

続かない
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