第2章


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「これからエイチ湖へ向かう。寒く厳しい道のりを歩くことになるだろうから準備をしたい。」
「へへっ、そういうことならお任せを。おい、アレを持って来い!」
ドンカラスは羽をパチンと鳴らす。
「へい、これをどうぞ。」
ピカチュウは雷の刺繍の入ったマントを手渡される。
「これは・・・?」
「ボス専用のマントでさあ。メリープの綿毛、アリアドスの糸、その他もろもろを混ぜて縫った特注品です。余程気合いの入ったガブリアスにでも引っ掛かれないかぎり、破れませんぜ。それに耐熱、耐寒性もばつぐんでさあ!」
「それはすごいな。」
「それとピカチュウ族に力を与える電気玉の成分も縫いこんでありやす。これさえつければボスは無敵ですぜ!」
「ほう。」
「それと皆さんの分の防寒着もよういしてありやす。ミミロルの姐さんにはコートを。スボミーさんには人間達のビニールハウスの原理を応用したカプセルを。ムウマさんにはローブですぜ!」
「これだけの物をどうやって用意した?」
ドンカラスは頭をポリポリ掻きながら答える
「部下にちょっと頭のキレるやつがいるんでさあ。マントは元々あっし用に作らせていたんですが、急遽作り直させまして・・・。」
「それはすまなかったな。」
「いやあ、ボスのためなら火のなか水のなか・・・まあまあとにかくそのマント、付けてみてくださいよ!」



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