第18章


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マニューラはいつものニューラ三匹を連れて、ハクタイの森に来ていた。
「結局、またオレ達が連れてかれるのかっつーの…」
「またこいつらと一緒なの…?」
「腐れ縁! ギャハ!」
 マニューラに無理矢理連れてこられ、ニューラ達はぐだぐだ文句を言う。
「うっせーぞ、てめーら!」
 そんなこんなでマニューラ一行は洋館にたどり着いた。マニューラは玄関の扉を乱暴に蹴り開ける。
「ヒャハハ! 糞カラス、生きてるかー!?」
 その音を聞きドンカラスが機嫌が悪そうに2階から飛んで降りてくる。
「何しに来やがったんでぇ、糞ネコぉ!」
「今日はな、わかんだろ? ほら、これ…」
 マニューラはわざとらしくもじもじしながら、ドンカラスにラッピングされた箱を渡す。
「? なっ!? これは…」ドンカラスは考えを巡らす――こ、これはチョコ…だが何で糞ネコがこんなものを渡してきやがる? 何を企んでやがんだ。そもそも糞ネコは野郎…。いや、待て。
 もしかしたらあっしが糞ネコを見た目と性格と汚ねぇ言葉遣いで野郎と思い込んでいやがっただけで実は…。昔からの腐れ縁だが女と気付かなかった…のか? あ、ありえねぇ!
 だが、あの糞ネコの頭の赤いアレは中途半端な長さしてやがって、どっちとも言えないような…。よく見りゃ顔つきも女っぽいとも言えるような…。 だが、いや、まさか。
「ひゃ〜ん、何焦らしてやがんだ? さっさと食ってくれ」
 マニューラがわざとらしく顔を赤くしながら、動きが止まっているドンカラスに言う。ニューラ達は後ろでドンカラスに気付かれないように笑いを堪えていた。
「お、おう。」
ドンカラスが恐る恐るチョコを口にすると…。



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