第18章


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「闘いの匂いだ…。感じる、感じるぞ! 強者の気配を!」

――ロケット団アジト内
 二人のロケット団がどこかに向かい急いで走っている。
「先輩、本当にあの開かずの倉庫を開く気ですか!?」
 痩せた臆病そうなロケット団員が、がっしりとした体格の先輩らしきロケット団員に怯えながらたずねる。
「ああ、サカキ様のご命令だ。中にいるポケモンを運びだす」
「だ、だってあの中にいるのはとんでもない怪獣ポケモンだって…」
 体格のいい団員は麻酔銃の入ったアタッシュケースを見ながら言う。
「大丈夫だ。もしもの時にはこれがあんだろ。」
「本当にそんなの効くんですかぁ? ジョウトからあれを密輸した時も、数十人の死傷者と数十匹のポケモンを犠牲にしたって…。
結局、あの時に捕獲できたのはまだその時は制御下にいた例の白い怪物の力のおかげだったらしいですし…」
 はあ、と体格のいい団員はため息をつく。
「仕方がないだろ。命令に逆らえばポナヤツングスカだぞ。」
「死ぬよりましですって!」
「…ほら、お前がぶつぶつ文句を言ってる間にたどり着いたぞ」
 団員達は大きな鉄の扉で封じられた倉庫の前にたどり着く。
「何か唸り声が聞こえますって〜」
 痩せた団員は震えながら言う。
「大丈夫だっての。臆病な奴だな」
 そう言いながら体格のいい団員は扉の横の機械にカードキーを通そうとする。




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