第13章


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――次の瞬間そのピカチュウから強い電撃がほとばしった。あれは、10万ボルト。

「よくやったなピカチュウ!やった!やったね!」

そのトレーナーはピカチュウを強く抱きしめていた。
そのピカチュウは、――とてもうれしそうだった。

「ご褒美のミックスオレが…ない。ちょっと取りに行くから待っててピカチュウ!」

そのトレーナーは自分の家に帰っていった。俺はそのピカチュウに話しかけてみた。

「おい、なぜ人間にあれだけ言われて我慢している。」
「彼は、とてもいいトレーナーだよ。僕たちのことをいつも気遣ってくれる。
そんな彼に答えてあげたいんだ。」
「正直に言え、人間は好きか。」
「僕は、彼がとても好きだ。」
そのピカチュウはまっすぐな目をして俺にそう言い放った。
「あ、来た。」

――俺はトレーナーに見つからないようにその場を離れた。

俺も、そんな人間に出会えば考えが変わったのだろうか。



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