第11章


[01] 




ディグダに案内され無事洞窟を抜ける。
「案内、ご苦労。」
ディグダが申し訳なさそうに口を開く。
「その…僕は事情があってこれ以上ついていくことはできないけど、巣の仲間にも同じ話しといたげるよ。」
「事情とは?」
「君たち街中とか建物の中とか歩くこともあるんでしょ?掘り進めないところは、その…。」
ああ、なる程。そういうことか。
「そういうことならば仕方ない。では仲間の件は頼んだ。」



ミミロップが不思議そうに問う。
「え?普通に歩けばいいじゃない。」
「いや…その……。」
ディグダが困っている。事情も知らずに余計なことを…。
「俺がそれで構わないと言っている…。」
俺はミミロップを睨む。
「な、なによ〜?ま、いいけど…。」



ディグダ族の下半身を見た者はいない。これが何を意味するのかはわからないが、
ディグダの下半身を見たものは、記憶を消されてしまうだの気がふれてしまうだの下らない噂もトキワの森で一時期流行った程だ。
危ないものには近づかないのが賢い生き方である。




[次n]
[*]ボタンで前n
[#]ボタンで次n
[←戻る]




Copyright(C)2007- PROJECT ZERO co.,ltd. All Rights Reserved.