〜過去〜ツバキ〜


[11]出会い


椿は、何をしたらいいかわからず立ち尽くしていた。
挨拶しなきゃ……。
「あの…椿と申します。よろしくお願いします。」

椅子から立上がり、こちらを見る。
「麗和(レイナ)です。よろしく。」
麗和の美しさに息を飲んだ。
深い蒼い目…。きれいな肌。整った顔。
茶に少し赤がかかった長い髪。

椿は、麗和の美しさにしばしみとれていた。
「どぅかしたのかしら?」

「いや!スミマセン…余りに美しいので見とれてしまいました。」椿が顔を赤くして言う。

「ふふ…ありがとう。でもこんな顔も体も欲しいものが手に入らないのなら不要だわ。」麗和は、遠い目をして呟く。

「?」
椿には、当然その言葉の意味がわかる訳もない。
唯、想像してたより優しそうな人だなと思い安心した。

「あのー私は、何をしたらいいでしょうか?」

「そうね…私の身の回りの世話…後は、お話し相手になってくれるだけでいいわ。」

「わかりました。では、掃除しますね。」


「いいわ…。少しお話ししましょう。お茶いれて。そこの戸棚に揃っているから。」


「はい!」

戸棚には、色んな種類のハーブティーが揃っていた。

「どれにしましょう?」

「任せるわ。」


「えっと…」
椿は一番量が減っているローズティーにした。
減るということは、好きだと思ったからだ。


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