〜過去〜ツバキ〜


[10]薔薇の香り


椿は、大きく深呼吸して屋敷の中に入った。
屋敷に入ると夢を見つけた。
「夢さん!おはようございます。」

「椿ちゃん。おはよ。何かスッキリした感じね?」

「私、がんばってみます!」

「ありがと。椿ちゃんがそんなに構えなくても大丈夫だからね。行きましょうか。」
早速離れの小屋に行くことになった。

心配そうに雪と空が見つめていた。



離れの小屋は、歩いてすぐだった。薔薇がキレイに咲いていた。ピンクに白、赤。
色とりどりな花に椿は目を奪われていた。
「キレイ…」
そんな事を考えてるうちに小屋の前についた。
コンコンっとドアをノックする夢。
「…夢です。奥様入ります。」
意外にもセキュリティ完備などは、されていなかった。
少し古そうな木造の扉。アンティーク…そんな雰囲気がある小屋だった。

夢がドアを開ける。


「失礼します。」
部屋の中は、とても日当たりがよく薔薇のいい香りがした。
窓辺に人影が見えた。
「奥様…椿を連れてまいりました。」

窓辺の近くにある椅子に腰掛けこちらには、目をやらずに窓の外を見たまま返事する。
「ありがと…。夢…外してちょうだい。」
今にも消えそうなか細い声だった。

「はい…失礼します。」

夢が一礼して椿に耳打ちする。
「椿ちゃん…がんばってね。」
肩に手を軽く置いて夢は、去って行った。


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