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《完結》負けない!!負け犬【２】～みんなの日記～

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[20]１月１１日(銀時&華蓮)

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｢おめェ、バカか！

これ[Ｖジャンプ]じゃねぇかよ!!

俺が買って来いっつったのは[週刊少年ジャンプ]!!｣

｢知らないわよ、そんなの！

どこがどー違うんだか分かるわけないでしょ!!｣

｢何言ってんだよ。

字ィ読みゃ分かんだろーが！

どっかのお母さんみたいな間違いしてんじゃねーよ!!｣

｢うるさい!!

アンタだってこないだレタスとキャベツ、間違えて買って来たじゃないのさ！｣

｢あ～もぅ…ダメだ、逆ギレしちゃったよこの女！

やってらんねェよ!!｣

｢あ～ぁ、いい年してまだ[少年]気取りですか。

マンガなんてくだらないモンに必死になっちゃって、本っっっ当、ダメな男！｣

｢｢もぅ顔も見たくない!!｣｣

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バカ女。

[ジャンプ]はなぁ、[Ｖジャン]の他に[赤マル]、それに[ヤングジャンプ]ってのまであんだぞ、コノヤロー。

こんだけ沢山の種類出てるって事は、歴史ある少年誌っつー証だ。

それをお前、｢くだらない｣だぁ!?

今まで俺が付き合ってきた女見てみろ、こんな初歩的なミス犯す奴ァお前くらいのもんだぞ。

みーんな間違える事なく、しかも発売日に買って来てた。

中でもお小夜って奴は、それはそれは出来た女だったよ。

発売日にはシャッターが開く前から店の前でスタンバって、さらにいちご牛乳も一緒に買って来る気の利きようだ。

ちっとは見習えってんだ、コノヤロー。

あれ？そういえば何で俺、お小夜と別れたんだっけ？

・―・―・―・―・―・

バカ男。

ジャンプ、ジャンプって子供みたい!!

だいたいイイ年こいて毎週欠かさず読んでるってどーよ!?

三十路直前にしてまだ少年誌から足洗えないって、ダメな大人の見本じゃないの。

それに引き換え、私の今まで付き合ってきた男達を見てごらん。

[ジャンプ]なんて読まないわよ。

[プレジデント]や[日経新聞]読んでたわよ。

中でも幸助はインテリで品もあって、どっかのバカみたいに金に困る事も無かった。

ものすごく心の広い人だったから、私が間違えて[東スポ]買って来た時も、｢しょうがないな、君は。｣って許してくれた。

あれ？そういえば何で私、幸助と別れたんだっけ？

・―・―・―・―・―・

あっ！思い出したぞ!!

そうそう、ある日いつものようにお小夜が[ジャンプ]といちご牛乳買って来て、そんで突然こう言ったんだ。

｢銀ちゃんの為に[ジャンプ]買いに行くのは今日でおしまいね。

私、好きな人が出来たの。

今度からはその人の為に[プレジデント]買いに行くから。｣

そうだそうだ。

どっかのインテリ坊っちゃんに寝返ったんだったわ。

そーかいそーかい。

結局は頭良くて金持ってる奴がいいってか。

あーあー、どーせ頭も金も無ェよ、俺は。

…でも、それでもいいっつって俺と結婚してくれたバカ女もいるんだよな…。

・―・―・―・―・―・

あっ！思い出したわ!!

そうそう、ある日いつものように[日経新聞]買って来たら、突然幸助が言ったのよ。

｢もう[日経新聞]買って来なくていいから。

てゆーかその手に持ってるのって、[日経新聞]じゃなくて[スポニチ]だから。

僕、好きな人が出来たんだ。

今度はその娘に買って来てもらうよ。｣

そうだそうだ。

どっかの律儀に発売日やら誌名を間違えずに買って来るお嬢ちゃんに寝返ったんだったわ。

そーかいそーかい。

結局は従順で気の利く娘がいいってか。

あーあー、どーせ強情で気も利かないわよ、私は。

…でも、それでもいいっつって私と結婚してくれたバカ男もいるんだよね…。

・―・―・―・―・―・

夜、風呂から上がったらテーブルに本が置いてあった。

『ごめんなさい。

今度はちゃんと[ジャンプ]買いました。』

とメモがついている。

でもコレ、[ジャンプスクエア]だし…。

やっぱバカだ、あの女。

・―・―・―・―・―・

お風呂から上がって冷蔵庫開けたら、野菜が入ってた。

『ごめんなさい。

今度はちゃんとキャベツ買いました。』

とメモがついている。

でもコレ、レタスだし…。

やっぱバカだ、あの男。

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