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《完結》負けない!!負け犬【２】～みんなの日記～

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[01]１１月１日(神楽)

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銀ちゃんと華蓮ちゃんが結婚式をした。

華蓮ちゃんは真っ白い着物も、真っ白いドレスも、何でも似合っててキレイだったアル。

さすが元大江戸小町ネ。

それに引きかえ銀ちゃんは、羽織袴も白いタキシードもぜーんぜん似合ってなくて、ダッサダサだったヨ。

きっと足短いからアルね。

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神社の境内で披露宴も終わって、お片付けを手伝っていたら、新八がテーブルを拭きながら言った。

｢神楽ちゃんは将来ドレスと白無垢、どっちが着たいの？｣

ドレスと白無垢…

て言うかそれって、いつかアタシと誰かが結婚式するって事アルか…？

考えた事も無かったヨ。

｢…アタシの結婚式までに考えとくアル。｣

新八はフキンをたたみ返し、またテーブルを拭きながら言った。

｢神楽ちゃんならきっと、どっち着てもかわいいよ。｣

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お片付けが済んだらもうすっかり日も暮れて、お星様とお月様が出てた。

今日はおめかしもしたし、披露宴の準備のお手伝いもしたし、いっぱい食べて騒いだし…ものすごく疲れたアル。

さぁ、早く帰ってお風呂入って寝るネ。

そう思いながら神社の石段を下りていたら、誰かに呼び止められた。

｢おい、チャイナ。待ちやがれィ。｣

振り向くと、ポケットに手を突っ込んだ沖田が歩いてきた。

｢お前をうちまで送って行けって、局長命令が下ったんでィ。

仕方ないから送ってってやりまさァ。｣

アタシの顔も見ずにそう言って、スタスタと前を歩き始めた。

｢仕方ないアル。

うちまで送られてやるアルよ。｣

アタシも急いで追いかけて、沖田の後ろをついて歩いた。

大江戸マートの辺りまできた。

ここを過ぎれば万事屋だ。

アタシも沖田もここまでずっと黙って歩いた。

このまま今日はおしゃべりせずにバイバイなのかな…

｢お前、着物とドレスどっち着たいんでィ？｣

前を向いたまま、急に沖田が聞いた。

ちょっとビックリして、とっさの答えがでなかったから、

｢そういうお前こそ、どっちのアタシが見たいアルか。｣

と逆に質問してやった。

そしたら立ち止まって振り向き、アタシの目を真っ直ぐに見て沖田が言った。

｢両方着せてやりまさァ。｣

…あ…今アタシ、顔赤いかもネ…。

どうしていいか分からずに立ち尽くしていたら、沖田がアタシの左手を取り、薬指になんかはめた。

…何コレ？見たことある形だけど…

｢さっき披露宴の会場で拾ったんでィ。

大事にするんですぜィ。｣

…あっ！分かった!!

ポン酢の中栓アル!!

｢バカにしてるアルか!?｣

沖田にグーで殴りかかろうとしたら、てのひらでアッサリ止められた。

そのてのひらを閉じ、沖田は私の拳を包み込んで、

｢いつかその指に本物の指輪をはめるまで、コレで待ってろっつってるんでさァ。｣

と、また歩き出した。

アタシの手を握ったまま…。

輪っかについた栓の先っちょ部分が、ダイヤの形に見えた。

黄色いプラスチックの指輪

…ウン、悪くないかも。

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