お祭り


[07]7


「昔この雛見沢は鬼ケ淵村(おにがふちむら)と呼ばれ村人達はオヤシロ様をそれは厚く信仰していた、だけど明治以降の近代化の中で信仰は次第に風化しオヤシロ様を信じる人はとても少なくなってしまった…でもねそれを許せない人達が居るのよ、古来からの伝統そのままにオヤシロ様を熱烈に崇拝する狂信者というべき存在がね。」
「狂信者?」
圭一は三四の長い説明を聞いた後で尋ねた。
「彼はオヤシロ様、信仰が衰退していくのを見過ごせなかった、そしてオヤシロ様の威光を復活させるべく開始したのよ。あるセレモニーを…」
「セレモニー…?じゃ、それが…」
「そう、それが毎年綿流しの晩に起こる連続怪死事件、通称オヤシロ様の祟り。」
三四は感情のない声で最後らへんは言った。
「古代の鬼ケ淵村の伝説になぞらえ綿流しの夜に二人の犠牲者を出す…一人には死を、もう一人には鬼隠しを…彼ら狂信者はオヤシロ様の祟りを引き起こし、村人にオヤシロ様の存在を知らしめることが目的なのよ。」
「そんな信仰のためにするなんて…」
圭一な悲しそうに呟いた。
「だから狂信者なのよ…けど途中からは私の推測だからね。」
三四は優しく笑った。
「…なんだ。」
圭一はため息をついた。
「けど…私が言っているのは本当かもしれない。」
クスと笑って言った言葉は圭一の耳にはとどかなかった。

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