第①章

[03]ありがとう

♪～♪～♪～♪

忠「もしもし？」

「忠義？ｵﾊﾖ－」

忠「お－。香菜か」

「今から来て。」

忠「分かった。行くわ」

「ほなね。」

忠「ほなｯ。」

毎朝,香菜との電話で起きるのが僕の日課。

忠「おはようございます」

母「忠義君おはよう。」

忠「香菜,居ます？」

母「部屋に居るよ。
じゃあ,忠義君お願いね」

忠「は━い。」

ｶﾞﾁｬｯｯｯ

忠「香菜？」

「……ｯ……zzZ」

またや,電話切ったら,すぐに寝るねや…。

忠「香菜ﾁｬﾝ？」

「……ｯ……zzZ」

忠「起きないとﾁｭｰすんで－？」

「……ｯ……zzZ」

ﾁｭｯｯ

「わぁ━━ぁ」

忠「やっと起きた」

「ﾑﾆｬﾑﾆｬ。」

忠「行くで。」

「はぁ━い」

幸せ…この時が一番幸せ

忠「香菜乗り。」

「うんｯｯ。」

香菜を乗せての登校。
コレも日課やｯ。

忠「到着━━ｯｯ」

「ご苦労様ｯｯ」

忠「香菜？」

「んｯｯ？」

忠「ﾁｭｰは？」

「えｯｯ？」

忠「お返しのﾁｭｰや」

「調子に乗るなｯ」

忠「もう一生乗せへん」

「えｯｯ？」

忠「違う女の子乗せよ」

「……ｯ…いいも－ん」

忠「強がるなってｯ」

「別に,忠義が違う女の子乗せようと関係ない」

忠「香菜？」

「私だって,亮ﾁｬﾝとか,章大とか,博貴とか,昴とか,きみ君とか,雛ﾁｬﾝとか,丸とかに乗せてもらうもん」

忠「……ｯ…香菜」

「忠義なんか大嫌いや」

忠「ちょｯ,待って」

また喧嘩してもうた…。

「ｷｬﾊﾊ,ｷｬﾊﾊｯｯ」

教室の前に立つと,香菜の笑い声が聞こえた。

亮「大倉？何しとん？」

忠「気分悪い…ｻﾎﾞﾙ」

亮「ほ━かｯｯ」

「あｯ,亮ﾁｬﾝｵﾊﾖ－」

亮「お－。」

ﾁｭｯｯ

何でや…香菜の頬っぺたに亮ﾁｬﾝがｷｽした…

最悪や…見てもうた。

亮「あｯ,香菜？」

「んｯｯ？」

亮「さっき,大倉居ったで？今日は,一緒じゃ。なかったん？」

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