黒猫の君と白猫の僕(君と私番外編/完結)


[12]気になる名前


家に帰る車の中で、僕は考え事をしていた。
やっと、飼えるようになった子猫のことじゃなくてあの子のこと…

あの動物病院…、僕の小学校の傍にあるんだ。
だから、あの子も同じ小学校に通ってる…?


「智、その猫の名前考えてやったか?」


ぼんやりと考え事をしている僕に、運転しながらお父さんが訊いた。
猫のことを訊かれると、なぜかあの子を思い出した…

なんでだろう?
僕…なんか変?


そんなことよりも…、名前考えてあげなきゃ…
女の子らしい名前…
名前…


「うーん…考えてはいるんだけど、女の子らしい名前を思いつかないんだ…」
「ま、ゆっくり考えて付けてやれ。母さんに相談してみたらどうだ?」
「うん。そうする…」


それだけ言って、僕はまたいろいろと考え事をした。
猫の名前…
女の子の名前…




まことちゃん…だったよね、あの子?



…って、僕…なんか、変だ…
なんで、あの子のことを考えてるんだろう?


あの子、キリってしてたりかわいかったり…
なんだか…
なんだか…?



わからないけど、気になったんだ。

















だから、あの白い子猫の名前は…


『まぁこ』になった。


お母さんは…『まるこ』がいいって言ってたけど、それよりもかわいい女の子らしい名前にしたかったんだ…


それに…あの子の名前が頭から離れてくれなかったんだ…


どうしてだろう?


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