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[03]無題




結局 210円払うのいやだったからジュースを一つ減らして注文し直し。

頼んだものを持って席に向かった。



「はい。 これ有岡さんの分ね、」


「おー、ありがとう」


「ううん。平気平気!」



「…え、あの」



「?」


「苗字さんジュース飲まないの?」


「あ、うん…」


「え!俺買ってくるよ!」


「いや、大丈夫だよ!」



「けどさ…」


「大丈夫。」



「…うん」



だって自分で省いたんだし。←

でも 有岡さんは気をつかうな。人に。



「いただきまーす」



「…………」



ん…喉乾いた。

やっぱりね、
自分が頼まなかったのに。


しょっぱいもの食べると自然に喉乾く。



「………」



表に出さないようにしてても
目はジュースを追っていたらしく。


「飲みかけでよかったら、飲む?」


有岡さんは控え目にジュースを差し出した。


「ぇ、あ…え?」


「あ、なんか飲みたそうだったから…」



「………」



「飲む?」



「…、じゃあ 貰おうかな」



ちょっと気まずくなりながらも受け取ったジュースを口に運ぶ。



いつもよりジュースが美味しく感じられたのは
喉が乾いていたからか、それとも……





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