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[03]無題




なんだか
和やかなムードになってきて

ほっ と肩を撫で下ろす。


「まあ、お互い様てことで、」


「そうだね。」



そのあとは黙々と掃除を続けた。


この掃除はテスト中に不審な行為をした罰で、別に自分たちが掃除当番な訳ではない。


だからさっさと終わらせてしまいたいという気持ちはお互いあって。


それに……


やはり男と女二人きりだと意識してしまうというか……。



「ねえ…」


「ん?」


「なんか、もう 超きれいになってね?」



有岡さんの言葉に動かされ、
周りを見回すと


「お……」


なんか これいつもの教室?ってくらい綺麗になってた。


「頑張った…」



へたり と座り込む有岡さんはお疲れらしく、


「あ…そうだ。帰りにジュース奢るよ」


この前のお礼も兼ねてジュースを奢ることにした。



「え まじで?」



やったー と嬉しそうに喜ぶ有岡さん。



「、ふー」



にしても、この掃除 いつも使わない筋肉を使ったというか…


なんかウチの身体にも相当こたえてて、


暫くの間は壁を背にした状態でいた。




「─じゃあ、行きますか」


ジュースが欲しいからか、はたまた暗くなっては困るからか

有岡さんはすくっと立ち上がって歩き出した。



─第4話に続く




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