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[01]気まずい





「あ……」


─テスト中
大事な物を忘れていることに気付いた。


「…………」


ペンケースをひっくり返して探すが目当ての"消しゴム"はどこにもない。



助けを求めようにもテスト中となれば成すすべもなく。



「…………」



仕方ない 違う問題に移るか。

と決めたとき



「苗字……、」



後方から自分の名前を呼ぶ声が。



「手、出せ」




声の主は有岡…

有岡大貴。



「はやく…」




彼は周りを気にしてか、小声で話している。



「………」



ペンの動く音に消えてしまいそうな声を聞き取り、

手を後ろに出すと消しゴムが掌にのせられた。



「あ、 ありがと」



そして、消しゴムを受け取りテストを再開しようとしたとき。



「うわっ」



「有岡、苗字!!なにしてるんだ?!」






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