第零.九章 〜いつの日か、また会いましょ〜


[08]夢、眠り、来る


『ファミレス寄ってこうぜ。』

『遠慮しとく。』

『なんだよ、ノリわりーよ。』


僕は、
二回目の学校を後にした。

学校の時計に目をやる。
四時六分。
まるで夢の続きみたいだ。

夢とは全然違う。
シャッターを降ろしたままの商店街。
ギターにほこりが被っている、
楽器屋。
僕の心は細くなった。

雨が降ってきた。
傘は無い。
家は目の前にあったから、
傘はささない。
何故か雨に打たれたかった。
そんな気分もあった。
疲れた。
そんな一日だったかも
知れない。

家に着くと誰もいない。
夕食と置き手紙だけ。たわいないテレビを見ながら、
愛想もない夕食に手をつける。
気付けは、五時五十三分。

自分の部屋に入る。
殺風景な部屋。
一番落ち着ける場所。少し勉強して、
すぐに止めた。

一日が終わろうとしている。

赤のシャーペンに

黒のペン

赤のパジャマに

黒いベット。


眠りからくる夢、

僕はそれを
待っているかもしれない。

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