第零.九章 〜いつの日か、また会いましょ〜


[06]桜、響く、かなり


もう昼はすぎている。
だろうなぁ、・・

繁華街のとある小さな楽器屋。
ギターが立ち並ぶ。
手に取って弾いてみる。
「響くのは音だけですか?」
「聞くのは耳だけですか?」

何処かで聞いた様な歌詞が
奥から聞こえて来る。
と思ったら。

途端に音は無くなった。

また街がざわめきだす。
可愛い子犬が寄ってくる。
散歩している。
多分、
飼い主は犬より猫のほうが
好きそうだ。
だって、ほら、猫用な餌
猫用なオモチャ。
子犬の目、
素直だ。
人間だと
こんな目は出来ない
だろうなぁ。
瞳の奥のまだずっと奥、
全てを表している。


フンだらけのガードレール、
ガムがへばり付いてる、歩道

人込みを抜けて行く。
そしたら一本の並木道に出た。
綺麗だ。
桜が舞い散っている。花びらの一枚が
鼻の上にのった。
爽やかな甘い匂い。
感じていると、
いつの間にか
風に吹かれて
アスファルトの上に
ピンクの絨毯の上を歩く。


かなり響くギター、桜は散る。


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