いきなり?!


[04]出会いは突然に…


学校の中を歩いて、騒ぎだしていた心を鎮める。


パニックを起こすことは最近ではなくなったけれど…やっぱり疲れる…。



そうやって歩いているうちに僕は迷ってしまった。


新しい学校だから迷うのは当然なのに脇目もふらずというか確認もせずに歩いたんだから僕もバカみたいだな…。


「でも、どうにかしなくちゃ…な…」

そう呟きながら歩いていた僕は多分考え込んでいたんだと思う、人にぶつかってしまった。


身長も体重もない僕は簡単に飛ばされてしまう。


「…ッたぁ…。」
立とうとすると足に痛みがはしって僕は思わず顔をしかめる。


『足…捻っちゃったかなぁ…?』


「大丈夫?ごめんね?」
絶対に僕がいけなかったのにそういって手を差し出してくれた人からはシトラスの香りがふわっと漂ってきた。

声のした方へ顔を上げてみる。



身長は180pくらいはあるかもしれない。綺麗な黒髪は程よい長さで、それを無造作にワックスで整えてある。
目は切れ長、鼻すじはすっきりと通っていて…男の僕でも思わずうっとりしてしまう美形だった。


身体もいい感じに鍛えているのが分かる。
服を着ていてもしなやかな動きはとても男らしい。


僕がなりたい男の人そのものだ

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