エピローグ


[01]青いこの地球を


「…もう2年経ったな、由紀子が居なくなってから。」
遺影の中の由紀子に話しかける。
この習慣は今も変わらぬままだ。
「裕太は5歳になったよ。相変わらず元気でよ…保育園でも目立つ子だって。」
噂をすると、裕太が後ろから駆けてくる。
「行こう、お父さん!」
新学期の始まりに声を弾ませる裕太。
「分かったよ。ほら、母さんに行ってきますは?」
「うん!お母さん、行ってきまーす!」
裕太の後ろを追いかけて外に出た。
雲1つない青空がどこまでも、果てしなく続いている。
「お父さん!早く!」
「あぁ!待てよっ!」
あの時、何とか一命を取りとめてから1年。
やっぱりあれは由紀子のおかげだったんだ…と今でも由紀子に感謝している。

初めは不安だった。
自分なんかに何が出来るんだろう…と。
でも、人は強くなれるんだ。
大切な人を守る為なら。

俺は…守れたんだ。
大切な人を。
そして…青いこの地球を。



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