プロローグ


[01]始まり


ピッ…ピッ…
弱々しい心音を表す機会音が俺の心と部屋に響く。
「由紀子っ…!」
「お母さんっ!!」
俺と俺の息子である裕太は、完全に弱りはてた由紀子にすがりつく。
その時…
ピ―――…
命が果てた事を知らせる音が鳴り響く。
「由紀子ぉ−っ!」
「お母さぁ−ん!」
2人の涙が流れ落ちる。

俺はこの日、最愛の人を失ったと同時に…
息子に寂しい想いをさせないと誓った。

まだこの日は考えてもなかったんだ。
あんなことになるなんて…。

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