桜の花びら…


[03]2年前の想い出…


純side-

−2年前−


家から出る…
まぁ、世にいう家出というものをした。

どこにも行く場所がなく、お金も持っていなかった僕は途方に暮れていた。


たまりに溜まった重責に耐え切れなくなったとき、気が付いたら知らない道をトボトボとあるいていたんだ……。



『お腹…すいたなぁ』

家に帰るつもりなどなく、ふと目に入った公園にふらりと入りベンチに腰掛けて空を見上げる。



『あ、……雨だ…』


曇り空の、重く垂れ込めた雲から冷たい雨が降ってくる…。


僕のどうしようもない気持ちを表したかのような天気に溜息が出る…。


『これから、どうしよう…』

ボソッと呟いて目を閉じる…。
(このまま、…このままここに居て雨にあたっていたら、いっそ楽かもしれないな…)


寒さに感覚のなくなった手足と共に、僕の思考も遠いていこうとしていたとき、


『大丈夫か…?お前、どうしてこんなところにいるんだ?』


貴方と出会ったのは、そんな時だった…。



或、曇った
とても寒い冬の夕暮れ…



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