prologue


[01]ハジマリ


冬空が広がるその日、夜9時。
私は塾から帰る途中だった。沢山の人が行き来する街中を歩いていた。

コンビニに寄る。入口にいたのは暴走族。夜なのに大声で話をしている。怖いから近づかない。
さっさと肉まんを買って帰ろうっと。

携帯の着信メロディが鳴る。お母さんからメールだ。

《最近物騒だから、早く帰ってきなさい。》

最近私の住む町の辺りに殺人鬼がいる。しかも狙いは女子高生ばかりなのだ。
連続殺傷事件。
私の学校でも全員が強制で集団下校を行っている。

さっさと帰ろう。
信号が赤。
長いなあ……この信号。
やっと青になった。

私は横断歩道を渡ろうと足を動かしたところで。

あれ?


横を見ると、
車の大きなクラクションがなった……。そして猛スピードで走ってきた…。

私は体を大きく吹っ飛ばされた。

いたい……
いたい……
いたいいたいいたいいたいいたいいたいいたい
イタイタイタイタイタイタイタイタイタイタイタイ

目の前は真っ赤に染まる。感覚が無くなる。
意識が薄れる。
最後に車が走り去っていく。
ひき逃げだ……。

なぜか回りに人もいない。車もはしっていない。
誰もそこにイハシナイ…。
私……死ぬな……。
そう思った。
眠い……。
寒い……。
お母さん……。

そして私の意識は完全に途切れた。
[*]ボタンで前n
[#]ボタンで次n
[←戻る]




Copyright(C)2007- PROJECT ZERO co.,ltd. All Rights Reserved.