歪みの国のアリス《長編》


[10]Black Sun《黒い太陽》I




いや・・・






そんなはずはない、と

私は頭を横に振った。



アリスは
優しい子だから・・・
きっとそんなことは
望まないはず。



だが、
私たちが在る理由は、
彼女を幸せにするため。







私は、どうしたら・・・






一瞬、彼女の夢を思い出した。



光の中に消えていく、
私の天使。

失いたくない、と思った。



何よりも笑っていて
欲しい、と思った。



そのためには・・・



そう、
自分を律し、
仕事をするのだ。


彼女の幸福のために。

彼女が
笑っていられるように。


大丈夫、
彼女が壊れることなんて

あるわけがない。


それこそ猫が壊れてしまう。


私は歩き出す。











もう迷わない。




例え

この身を犠牲にしようと、

アリスに嫌われようと、

私は


私の出来ることを。





猫がそうしたように。






・・・本当はあんなやつ、
気に食わないけれど。







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