風船ガム


[02]2


 色とりどりのランドセルを背負い、小学生が帰路につく。白線を辿る子供をまた1人、追い抜かした。
 すれ違う瞬間、そいつと目が合う。一瞬驚くように目を見開いたが、にこりと笑うとそいつはまた白線を探す。

 俺にもこんな時代があったのかと探してみたが、それは意外と近くに転がっていた。




 何回やってもフーセンガムは膨らまない。
 画面や紙を介して見る世界とは、やはり勝手が違った。

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