第6章


[40] 


「ぐっ…ぐがあ…い…いつの間にこんな手を…!」
「ただ逃げ回っていただけじゃないって事さ。誰かさんと違ってな!」
エレキブルの背中がシュウシュウ音を立て、焦げ臭い匂いが辺りに漂った。
これでもう、しばらく電気技は使えまい。

「こっ…このドブネズミがあっ…!」
口からも白煙を吐きながら、エレキブルはパンチを繰り出す。
だが、あいつの動きなど、とうにお見通しだ。
「アイアンテール!」
俺はガラ空きの横っ腹に、鋼鉄と化した尻尾を叩き付けた。
「がふっ…!」
エレキブルはバランスを崩し、どうっと地面に倒れた。

「やった〜!たおれた〜!」
「さすがです、ピカチュウさん!雪辱を晴らしましたね!」
「ううっ…それでこそ我が主君でござる!」
「くぅ〜!シビれるぜえ〜!早えとこトドメを刺してやれ!」

「ぐうぅ…く…うぐ…」
エレキブルは、苦悶しながら地面をのた打ち回っている。
「なら…そのドブネズミが、お前に引導を渡してやろうか」
俺は用心しつつ、エレキブルに近付いた。

[前n] [次n]
[*]ボタンで前n
[#]ボタンで次n
[←戻る]




Copyright(C)2007- PROJECT ZERO co.,ltd. All Rights Reserved.