第30章


[08] 



先ほどの傷など何でも無かったかの様にラッタは俺へと襲い掛かってくる。
だが、黙ってやられてやる程俺は親切ではない。
例え親切だったとしても願い下げだ。
右頬の傷は運よく電気袋から外れており、電気をためるのに支障はきたさない。

「不意打ちで俺に傷をつけるとはいい度胸だ。」

死んだ振りをしているのかもしれない、と疑わなかった俺のミスなのかもしれないが。
俺は向けられた前歯にアイアンテールを叩き付けた。

「ギャアアアアアア!!!」

痛みで叫び声をあげるラッタに、10まんボルトでとどめを刺す。
念のため、アイアンテールでなぎ倒すと黒焦げになったラッタは地に伏せ、動かなくなった。

「ちょっと、やりすぎじゃない?」
「そうですよ。」

……確かに、少しやりすぎたか?
しかしまあ、これで暫くは目を覚まさないだろう。



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