第21章


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「ナッシー、眠り粉!」
グリーンの素早い指示でナッシーは、弾き飛ばされ宙でまだ体勢を直せていないムクホークに、容赦無く眠り粉を浴びせる。
「ピュルィ……(ふにゃ……)」
昏倒し床にどさりと落下するムクホーク。

「リィリァー……(見事な連携ですねー……)」
悪い予感が的中し、ロゼリアは嘆くように右手で自分の額を押さえる。
「リィリィ……リリア――リィ。リィリア(困りました……予想以上にあの人間とポケモン――やります。ばらばらに動いてはあの通り)」
「フリャー……(しっかりして下さいよもう……)」
フライゴンが眠っているムクホークの下に電光石火の速度で急いで近づき、ムクホークを引きずりながらとんぼ返りの要領で戻ってくる。

「リィ――(こちらも――)」
「こっちもうまくチームプレーしないと、勝てそうにないね」
「リ!?(え!?)」
自分達の話が伝わっているかのようなレッドの言葉に、ロゼリアは驚く。
「君達、今だけ僕の指示に従ってくれないか?ばらばらに戦ったらグリーンには――きっと勝てない」
「……リィリリ、リィリ(……その通りです、今はこの人に従いましょう)」
「……ミィ(……わかった)」
「ぼわん(いいよー)」
レッドはにこりと微笑む。
「ありがとう、君達。やってくれるんだね。よし、まずは――」

「(まさか……ね。ポケモンの言葉が人間に通じるわけ無いですよね)」



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