第21章


[03] 



ミミロップ達と無事に合流し――いや、ミミロップのせいで俺は顔面を負傷したが。
ダークライの後を追おうとビル内部を進んでいるのだが、
「またこの階に出ましたね……」
ロゼリアがうんざりした様子で呟く。
そう、ぐるぐると回るように同じ所に出るばかりなのだ。先程受けた膝蹴りの衝撃で俺の頭もまだ少しぐるぐるしている。
改めて思ったが、この建物は非常に不可解な構造をしている。
とりあえず階段だけで上を目指してみたが最上階の11階は行き止まり。何も考えずにワープパネルを踏めば、たちまち訳が分からない倉庫や意味の無い廊下に飛ばされてしまうのだ。
こんな構造では混乱するだろうに。人間の考えることは分からない。そして蹴られた顔面の痛みで考えがまとまらない。

恐らくこれまでに幾つか見かけた閉ざされたシャッターの先に、何かしら突破口が有るのだろう。今俺達がいるこの部屋にもそれがある。
しかし、破壊しようにもこのシャッターは非常に頑丈で俺の電撃でも、先程俺に強烈な打撃を与えたミミロップの蹴りや、ロゼリア達の攻撃でもビクともしないのだ。
ムウマージに擦り抜けさせようとしても、見えない力に弾き飛ばされると言う。ダークライの力だろうか。俺は先程ミミロップの力に弾き飛ばされたが。

「ピカチュウ、ごめんってば〜」
先程から、俺の顔面を故意では無いとはいえ膝で蹴り飛ばしたミミロップが、申し訳なさそうに何度も平謝りに謝ってくるが俺はそれをずっと無視していた。
「も〜……」
「ああなるとしばらく収まりませんね」
「アンタらも大変だねぇ」




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