第21章


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「誰が狂暴で邪悪で野蛮で粗暴な黒猫だって?あん?」
「あたた……」
マニューラに殴られ、フローゼルは書いている途中だった自伝を落とす。
何故ここにマニューラがいるのかというと、彼らフローゼル海賊団はドンカラス達に討伐された後、その傘下に入れられてしまった。
そして現在はピカチュウ配下達の海の交通手段として利用されてしまっているのだ。

「そこ書き直しな。強くて優しくて美しくて可愛くて格好よくて理知的なマニューラ様、だ。ヒャハハ」
「ううう……」
こっぴどくやられフローゼル他海賊達はドンカラス達に、まったく頭が上がらない。
「じゃあこの辺でいーぜ」
「へい。おい!野郎共、船を陸地に寄せろ!」
「アイアイサー」
フローゼルに命令され、ブイゼルは海に飛び込んで、ホエルオーに旗で方向転換の指示を出す。本来の命令伝達役のペリッパーがドンカラスに撃墜された時の怪我で現在動けないため、苦肉の策で運用しているのだ。
船の汽笛の様な鳴き声をあげ、ゆっくり向きを変えて陸地に寄せて泳ぎだすホエルオー。海に飛び込んだブイゼルが息を切らせて必死にホエルオーに上がってくる。
「陸に着きましたよ……」
「おう」



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