第18章


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「道具か………少しは役に立ちそうだな。」
ニヤリとただでさえ不気味な外見のダークライが薄ら笑いを浮かべた。
何を考えている……?
「…サイホーンか……今はタイプ相性的に不利だな…それにあっちのポケモンは何だかわからないし…。」
赤い帽子を被っている、帽子と同じ色の服を着た人間は俺の横でぶつぶつ独り言をしている。
「行け、奴等を倒せ。」
ダークライがサイホーンに言ったのはそれだけだった。
サイホーンが突進して俺達に向かってくる。
と同時に、赤い服の人間はモンスターボールを投げて叫んだ。
「ピカチュウ、アイアンテール!」
ボールの中から飛び出してきたのは俺と同じ……それもハナダシティで見かけたピカチュウだった。
ボールから飛び出した勢いのまま、サイホーンの眉間にアイアンテールが打ち込まれる。
「僕は捕まっているポケモン達を助けたい。頼む、力を貸してくれ。」
人間は俺にそう頼んだ。
ポケモン相手に頭まで下げて。
シンオウの赤帽子といい、何故そこまでする?
「ここで時間をかけてたら、サカキ達は行方を晦ましてしまう。捕まっているポケモン達を助けられないんだ。」



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