No.3


[01]新しい"友達"




入学式の翌日。


まだ友達が出来ていない私は昨日と同じように1人で机に座っていた。


"なんか…心細いし暗い子みたいでやだなぁ…"


小学校ではわりかし活発なほうだったが多少の人見知りもあるせいか自分から話しかけることができない。


"誰か話しかけてくれないかな…"


そんな人任せなことを考えて四方をチラチラと見回してみた。


明らかに不審だ。



すると後ろから声がした。

「あの…もしかして…1人…?」

後ろを振り向くと腰まで届くであろう真っ黒なストレートの髪を2つにくくっている華奢な女の子がいた。


今にも消えそうで、でもとても透き通った声でとても魅力的だった。



「あ、う、うん!!1人!!」

思わず噛んでしまった。

そんな私を見て目を細めて微笑みながらその子は口を開いた。


「私も1人なの。同じ小学校の子が1人もいなくて…良かったら話さない?」


「うん!!喜んで!!」



その子は武内りんという名前だった。


りんは清楚で大人しめだが話すことは1つ1つしっかりと話す子だった。

小さい頃から病弱でそのせいもあって両親が過保護。


両親は大企業の取締役らしい。

俗にいうお嬢様だった。



"あたしなんて庶民に話しかけてくれるなんて…嬉しい"


すっかり舞い上がった私はりんとそのあともずっと話していた。



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