No.1

[01]はじまり

1990年2月7日―

真っ白な雪が降り積もり、木々が化粧づいた日の夜明け。

タンタンタンタンタンタン…ガチャッ

「―…っ!!ゆりこ!!」

「おめでとうございます。女の子ですよ。」

「ゆりこ、ゆりこ…。よく頑張ったね」

「かずちゃん…えへ。あたし頑張った！見て、かずちゃんによく似てる」

「目元はゆりこだよ。名前は？決めてる？」

「えーっとね。あたしこの子にはちゃんと自分の夢を自分の力で叶えてほしいんだ。だから叶えるって字をいれたい」

「じゃあ夢を叶えるって書いてユカにしようか」

「…夢叶。いい名前」

とある小さな田舎町。
この町の小さな病院で１人の少女が産声をあげた。

この物語は１人の少女が一喜一憂して成長していく物語である――――

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