〜第2章〜


[06]初めての朝


ハルカは、聞いた事ない音で目覚める。
隣で寝ていたはずのレイがいない。

カタカタ…。

音のする方へ行くとレイがパソコンをしていた。
まだ眠い眼をこすりながら
「レイ?」

「あぁ。おはようございます。起こしてしまいましたか?スミマセン。」

「何してたの?」
珍しそうにパソコンを見るハルカ。
「ん?仕事ですょ。」椅子から立上がりキッチンに向う。

「昨日は、よく寝れてたみたぃで安心しました。自分の家のようにしてくださいね。朝食は、パンでもいぃですか?」

「うん。」
ハルカもキッチンに行く。
「どぅしました?」
手際よく卵をフライパンに割る。美味しそうな香りがする。

「レイは何でもできるんだな。」

「そんな事ありませんよ。独り暮らしが長かっただけです。コーヒー飲めます?」

「甘いのなら。」

「これあっちの机に運んでください。」

「はーい。」
すっかり新婚夫婦のような2人だ。
机の上には、サラダにスープ目玉焼きにトーストが並べられた。
「朝からこんなに食べれるのかぁ。」
ハルカは目を輝かせた。
「簡単にしかつくってませんけどね。それじゃいただきます。」

「いっ!いただきまぁす!」
朝から優雅だった。天と地の差だ。店で見せ物になっていたのが嘘のようだ。
「今日ゎ私仕事が溜ってるんであまりお相手できなぃかもしれませんが勘弁してくださいね。」

「仕事って何してるんだ?」

「物書きです。締切が近いんで。」
どうやらレイは小説を書いて生計をたてているみたいだった。こんな大きな家に住めるんだから中々売れているのであろう。



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